美と幻想の作家!金沢三文豪・泉鏡花の世界を堪能できる「泉鏡花記念館」
金沢三文豪をご存知でしょうか?
泉鏡花、徳田秋声、室生犀星の、金沢出身である3人の文学者のことです。
金沢には三文豪それぞれの記念館が建立されています。
今回はその金沢三文豪のひとり、泉鏡花を取り扱う文学館「泉鏡花記念館」に行ってきました!
こじんまりしていますが綺麗で落ち着いた雰囲気で、「美と幻想の作家」と呼ばれる泉鏡花の人となりがしっかり知れる、素敵な施設でした(*^^)
◆ 泉鏡花記念館
–公式HP
泉鏡花の生家の跡地に建つ「泉鏡花記念館」
泉鏡花記念館は、バス停「尾張町」or「橋場町」から徒歩3分ほどのところにあります。
駐車場はすぐ近くにある金沢蓄音器館との共同駐車場がありますが、数は多くありませんのでお車で行く場合は要注意。
大通りには面していないので、入り口の場所が少し分かりにくいかもしれません。
ただ建物の壁面には案内板がたくさん出ているので、迷うことはないかと思います。
この泉鏡花記念館、実は泉鏡花の生家跡地に建つ記念館!
記念館の前には、泉鏡花の父子像が。
幼き頃の泉鏡花。
実は私、来館した時点では泉鏡花の作品を読んだことはありませんでした。
そもそもお名前の雰囲気から、勝手に女性だと勘違いしておりました。。像を見て「男性だったのか!」と第一の衝撃。
泉鏡花が好きな方はもちろんですが、私のように一度も作品に触れたことのない人でも楽しめるので、少しでも興味がある方は是非訪れていただきたいです。
入館料は大人310円、高校生以下は無料。
本記念館に訪れて、泉鏡花の人となりやどんな気持ちで執筆されていたのかを知って私は興味がわきましたよ。
後日、泉鏡花の作品のひとつ「絵草子 月夜遊女」を読んでみました。
館内へ!
厳かな門をくぐって館内へ向かいます。
門を通り抜けた瞬間から急に辺りは静かな落ち着いた空間に。
ちょっと雰囲気が変わります。
広いアプローチを進むと、入り口までは一本道!
そんなこんなで入館できる泉鏡花記念館ですが、館内の撮影は禁止です。
ただし受付すぐ近くで、「絵本 化鳥」の鮟鱇博士とは一緒に写真が撮れますよ♪
館内は展示部分が1Fのみ。
そのためこじんまりしていて、さっと見ていくだけならあっという間に回れるほどです。
しかしちょっと迷路のようになっている構造で、展示を面白く魅せてもらえます。
展示品は初版本や、原稿などの自筆資料、芥川龍之介からの手紙、鏡花が集めていたうさぎのコレクションなど見所がたくさん。
泉鏡花の本は本の外装「装幀」が特に美しく、「鏡花本」と称されていたそう。その美しい装丁にも注目です。
映像展示もわかりやすく、ミニシアターは全部で三本あり、全て観ると約1時間とボリュームがたっぷり!
私は時間の都合上その一部しか観れていないのですが……これだけで入館料以上の価値があると思うので再度伺いたいです。
やっぱり映像だと目と耳で楽しめるから、頭に入ってきやすいですね。
また、館内には無料で持ち帰れるガイドペーパーもいくつかあります。
写真等も載っていて情報量が多く、ファイリングできるようなしっかりした紙に印刷されていますので、これもとてもありがたいです。
泉鏡花の生涯や作品を、館内の展示から学び、帰宅してからじっくりガイドペーパーでまた深く知るのも楽しめました。
他の文化施設に比べると小さめの館内ですが、内容はぎゅっと凝縮されているなと思います。
私が特に印象に残ったこと
泉鏡花は幼い頃にお母さまを亡くし、多感な幼少期を金沢の地で過ごしたそう。
そのため、「亡母憧憬」を基底とする作品を多く生み出されたそうです。
亡き母を想い創造した幻想の世界、それが幼少期この場所で創られたのかと思うとものすごく感慨深い。
そしてちょっと、切ないですね。
代表作の「化鳥」はまさに亡母憧憬のテーマが特に現れているらしいです。押さえておきたい一作!(ミニシアターでアニメーションを観ることができます)
また、うさぎのコレクションがとても可愛らしかったです。
泉鏡花は酉年ですが、「自分の干支から数えて7番目の干支を持つと縁起がいい」という「向かい干支」のゲン担ぎをされていたそう。
そのため、酉年から7番目の卯年、つまりうさぎをモチーフにしたものが縁起いいとしてコレクションしていたそうですよ。
私もちょっと、真似したくなっちゃいました。
そして何より、泉鏡花の怪奇趣味!
私は水木しげるや京極夏彦の怪奇系のお話が大好きなので、泉鏡花の作品もきっとハマりそう。
泉鏡花の世界に深く浸れる文化施設
泉鏡花記念館、とても良かったです。施設も綺麗で、館内から見るお庭も素敵でした。
こじんまりしつつも濃密な情報が多く、一度も作品を読んだことがなかった私ですが、泉鏡花の人となりを知ることで「どんな作品を書かれているんだろう」と興味を持つことができました。
私が後日に読んだ「月夜遊女」はどちらかというと喜劇的・怪奇的な作品でしたが、幻想的な世界は健在です。
また別の作品も読んでみたいなと思います。
この辺りは文化施設が多く密集しているので、金沢文化めぐりに外せない施設♪
文化施設はそれぞれ入館料が別途必要ですが、お得な「金沢市文化施設共通観覧券」という文化施設パスポート(1day〜1年)もありますので、気になる方はぜひチェックしてみてください(*^^)
◆ 泉鏡花記念館
–公式HP
営業時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
定休日:年末年始、その他展示替えで臨時休館あり
住所:石川県金沢市下新町2番3号/バス停「尾張町」「橋場町」から徒歩3分
電話番号:076-222-1025
※投稿時の情報です。最新情報はお店の公式情報をお確かめください!
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