IKERU NONOICHI!喜多記念館の「表出のかたち展」に行ってきた
2021年から始まった「IKERU NONOICHI」。
「北国街道・野々市をIKERU(生ける・活ける・いける)」をコンセプトとして始まったプロジェクト。
2022年の第二回・IKERU NONOICHIでは複数のイベントが行われましたが、そのうちのひとつ、喜多記念館で行われた「表出のかたち展」というアート展に行ってきました!
歴史と趣を感じられる町家の中で楽しむアート。
10人のアーティストによる作品が展示された喜多家住宅は、いつもと違う一面を見せてくれてとっても楽しめました。
アート展は2022年11月23日(水・祝)まで!
◆ IKERU NONOICHI
–公式HP
喜多家住宅(喜多記念館)の「表出のかたち展」
野々市本町、北国街道沿いにある国指定の重要文化財である喜多家住宅(喜多記念館)。
もともと酒造業を営まれていた商家で、今年2022年にかつて造られていた日本酒「猩々」が復活!現在でも話題に事欠かない、野々市が誇る文化施設のひとつです。
喜多家住宅は歴史的建造物としての価値はもちろんのこと、個人的にはその趣きある古民家的雰囲気にキュンとしちゃう場所。
洋風のおうちが増える中で「和」が全開のおうちは、実際に住んだ経験がなくても懐かしさを感じて、ついついホッコリ癒されちゃいます。
そんな喜多家住宅で行われるアート展。
歴史的建造物とアートという異色なコラボ、なんだか惹かれてしまいますよね。
ということで行ってきました!
今回の展示会は撮影OK・シェアOKということで、ついついたくさん写真をパシャパシャ。ちょっとだけお裾分け。
青木千絵氏の作品
受付を終えて、まず最初に迎えてくれたのは「BODY」という作品。
独特なフォルムで、ツヤツヤ輝くとても艶かしい雰囲気の漆の作品です。
格子窓から差し込む光が反射して、綺麗な質感をたっぷり堪能。
足の指など細やかなところまで作り込まれていて、いろんな角度から鑑賞しちゃいました。
高橋直宏氏の作品
続いて「杖をつくもの」という作品。
こちらのアーティストさんの作品は、「バラバラにした部位を独自の視点で再構成」されていることが特徴だそう。
他にも作品が展示されていたのですが、ごく一部しか表現されていないのに、体のどの部分かがハッキリ分かるのがなんだか不思議で面白かったです。
クニト氏の作品
続いて「落ちてきた小さき部屋」という作品。
「宇宙船から土を落とし、大気圏突入時の熱と風圧によって焼成した宇宙時代における焼き物」という、独創性たっぷりのコンセプト。
2階の窓から差し込む光が降り注いで、なんだか「光り輝くレアアイテム」感が。
写真だとだいぶ分かりづらいのですが、色合いもとても素敵でサイズも大きいため、圧倒されちゃいました。
ちなみにこちらが展示されているところは、普段の喜多家住宅では立入禁止のお部屋。
今回も足を踏み入れることはできなかったのですが、扉が開放されていたため、初めてお部屋の様子を見ることができました。
アートだけじゃなくこういうところが楽しめるのも嬉しい。
國政サトシ氏の作品
お庭側の部屋では、「electronic water」という作品が並んでいます。
まるでナマコのトゲのようなものに覆われているのですが、なんと結束バンドで作られているとか!
近くで見ると確かにトゲのように見えるボワボワ部分も全て結束バンド。
身近な日用品をこんな存在感のあるアートに仕上げることができるなんて、ちょっと衝撃的でした。
木谷洋氏の作品
続いて「柄杓」という作品。
あまりに馴染んでいたため一瞬通り過ぎそうになってしまいましたが、お風呂場の横にある、壺にのった手鏡のような作品です。
アーティストさんは「身近な行為や習慣の中から、人と物の関わりの変化を現す」という姿勢で作品を作り続けてらっしゃるそう。
もうちょっと近づいて撮影した写真もあるのですが、ぼやっと私が写り込んでしまったので、ちょっと遠巻きで。
五月女晴佳氏の作品
続いて小さなお部屋を埋め尽くす、「Melt」など唇の作品6点!
IKERU NONOICHIのパンフレットにもなっている、パッと目を惹く綺麗な作品ですね。
漆で表現されている、艶めく真っ赤な唇たち。
情熱的であり生命も感じる赤はなんだか圧巻です。
平田昌輝氏の作品
続いて、「逃げる少女」という石像の作品。
こちらのアーティストさんの作品は6点あって、一箇所ではなく4部屋に渡っての展示でした。音声も流れていて、それらの場面全てで1つの作品というなかなか壮大なもの。
その中で私が一番惹かれたと言うか、胸を打たれたのがこちらの「逃げる少女」でした。石の右下部分に、隠れるように体を折る少女がいますが……
反対側に、耳がポツンとあるんです。
逃げて隠れながら、周りの様子をうかがうように聞き耳を立てているのかな……といろんなことを想像してしまいました。
谷口智美氏の作品
続いて「水脈を知るからだで通り抜ける」という作品。
こちらは土や粘土や紙で作られた作品だそう。
中は地層のようにも見えます。
ダイナミックな表現とサイズ感で、存在感がスゴイ作品でした。
津守秀憲氏の作品
2階に上がって出迎えてくれたのは「胎動」という作品たち。
こちらはガラスと土の混合焼成で作られたものだそう。
一見するとゴツゴツした焼き物ですが、近くで見るとガラスが混じり不思議な質感。
ひび割れた隙間で、ガラスが糸を引いているように見える姿はなんだかとても幻想的。
……そしてちょっと奥にチラリと顔を覗かせているのが、最後の作品。
梶浦聖子氏の作品
最後の作品が「色を聴くウサギ」。
カラフルな耳が特徴的な、なんと体長4mという巨大なウサギさんです。
サイズ比較用に、のっティのミニぬいぐるみとツーショット。
遠近法をもってしてもウサギさんの大きさったら。
一見とても可愛らしいウサギさんですが……
「子どもの不安や寂しさを受け止める」ために、世界で起きる不安な出来事・悲しい出来事を受け止めてどんどん大きくなっていく様子が表現されているそう。
そう聞くと、ウサギさんのお顔から悲しさと優しさが感じられます。左手は、眠れない子どもをポンポンなだめて寝かしつけようとしてくれているのでしょうか。
ちょっと切ないですね。
歴史とアートを満喫!
ということで、歴史的建造物で楽しむアートたちでした。
喜多家住宅は最近さまざまなイベントが行われていて、より身近な存在になってきましたね。
私は日程の都合で行けなかったのですが、11月半ばの週末には日本酒「猩々」を楽しむイベントも開催されていました。
日本酒大好きなので本当に行きたかったんですが。。
次にどんなイベントが行われるのか、今から楽しみです!
◆ IKERU NONOICHI
–公式HP
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