金沢伝統の縁起菓子「辻占」で新年の運試し!〜石川県のお正月②

2021年1月6日石川を知る石川県,和菓子,季節

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石川県に移住して迎えた3回目のお正月。
2回のお正月は移住前と同じようになんとなく過ごしていた私ですが、せっかく石川県に住んだのだから、「石川県のお正月の風習」を体験したいなと思っていました。
今年はコロナの影響もあって、おうちで過ごすことが多かったお正月。おうちでのんびり、石川のお正月を満喫していました。

そんなわけで体験した風習のひとつがこちら。

金沢の伝統菓子・辻占

辻占(つじうら)」です。

石川県の金沢市を中心とした加賀地方では、お正月に小さな「おみくじ」が包まれたお菓子「辻占」で、新年を占いつつ言葉遊びをする、という家庭が多いそうです。

辻占初体験の私は、おみじくに書かれたミステリアスな言葉にまず困惑。からの、大笑い。
楽しい気分で新春を過ごせました!

金沢の迎春菓子・辻占(つじうら)

辻占

辻占は金沢近辺のお正月でよくみられる伝統文化のひとつ。そのため和菓子屋さんはもちろんですが、スーパーなどでも購入することができます。
年末年始の時期は、私がよく行くスーパーでは「辻占はこちら!」と書かれた案内表示まで掲げられていました。
私は今回そのスーパーで購入。小松市にある有限会社 長池製菓さんの辻占です。

占いが入ったお菓子といえば、フォーチュンクッキーを思い浮かべますが、その違いは大きくは皮でしょうか。
フォーチュンクッキーはその名の通り皮部分が「クッキー」ですが、辻占は原材料がもち米や餅粉です。
ちなみに、新潟県では「辻占煎餅」というものがあるそうですが、こちらはその名の通りお煎餅ですよ。

金沢の辻占は大きく「最中の種」を使ったもの、「寒梅粉・餅粉」を使ったものの二種類あるそうです。
今回は後者、「寒梅粉・餅粉」のタイプの辻占をいただきました。

3つの言葉を読み解くのが一般的らしい

辻占のやり方に決まりはないそうですが、「3つの辻占を選んで、出てきた3枚の言葉を並べて占う(言葉遊びをする)」のが一般的だと金沢出身の知人に教えてもらいました。

大体が12個入りで販売されているようなので、1つ買ったら4人まで新年の占いができます。
とはいえ前述の通り決まりはないので、1人で12個全部開けてしまって、全ての言葉を楽しむのもまた一興ですね。楽しめればなんでもよし!です。

私も早速運試し

そんなわけで、私も2021年の運試し。
このとき前知識はあまりなく、「和風フォーチュンクッキーだよね!」という知識しかがなかった辻占初体験の私が遊びます。

辻占

フォーチュンクッキーに引っ張られて「固い皮」と思い込みながら触った辻占は、「ちょっと固めの柔らかいお餅」という感じで、その触感にまずびっくり。
「ぶにゅっ」とした感触の辻占を、「メリメリっ」とめくっていきます。

中に入った占いの紙が破れてしまうのではとヒヤヒヤ。果たしてこれで合っているの?と恐る恐る、ひとつめの辻占の閉じている部分を開けていきます。

ひとつめの言葉「あきらめられぬ」

そんな私がひとつめに引いた言葉がこちら。

あきらめられぬ

……あきらめられぬ??
これって占い?と、困惑する私。

「あきらめるな」とか「あきらめぬが吉」とかではなく、「あきらめられぬ」です。

明確な指示や道標ではないこの謎の言葉に最初は「?」が頭を占領しますが、「どういうことどういうこと!」となんだか楽しい気分になってきます。
こうなると次がどんな謎めいた言葉が出るのか、ワクワク。

ちなみに恐る恐る開けた辻占、ボロボロになってしまいました。。

ボロボロになってしまった辻占

ふたつめの言葉「出世が早い」

2つめの辻占を選んで、こじ開けます。

出世が早い

出世が早い。これは占いっぽい!

ひとつめに比べると謎要素はなくなりましたが、良い結果にホクホク笑顔になる私。
よくわからない言葉の他、こういうわかりやすい言葉もあると知り、ラスト3つめは果たしてどちらに転ぶか……と、慎重に選びます。
すっかりハマっています。

嬉しい涙がこぼれる

3つめの辻占は……

嬉しい涙がこぼれる

嬉しい涙がこぼれる
なんだかとっても抽象的だけども、とても良い結果!

あまり他の占いでは見ない言葉のチョイスにクスッとしちゃいました。

ちなみに3度目ともなると、綺麗に取り出すことができました。

開いた辻占

紙の強度がある程度あるので、尻込みせず結構思い切ってめくるのがコツな気がします。
(※個体差はありましたが)

解釈しつつまとめると

総括すると私は今年「あきらめられぬ!」というような強い意志を持てば、「出世が早い」一年になって、その順調っぷりに「嬉しい涙がこぼれる」くらい幸せに過ごせるよ!ということでしょうか。

今年はなんだかとても良い一年になりそうです。

お正月を楽しい気分で

ちなみに辻占、お味も美味しかったです。
「○○味」のようにハッキリした味があるわけではないのですが、お餅の甘味が噛めば噛むほどじゅわっと出てくるような、素朴で優しいお味
そんなわけで3つじゃ止まらず、その倍である6個を楽しみました。

6つの言葉

4つめに引いた「わたしや あなたの お心任せ」が私の中では一番の謎めいた言葉。
「あなた=私? “わたし”って一体誰のこと!?」とツッコミながら、楽しいお正月を過ごせました。
絶妙なワードセンスに、いつの間にやらすっかりトリコに。

おみくじって引く前にドキドキしたり、引いたあとちょっと信じたり、信じなかったり、人と結果を共有してみたり、なんだか楽しいものですよね。私は初詣に行くと必ず引いています。
そのワクワクをおうちで気軽に、そして自分なりの解釈を入れつつ遊びながら楽しめるなんて、とても魅力的な文化。

我が家のお正月でも、定番になりそうです!