金沢の偉人をまるごと知れる!「金沢ふるさと偉人館」
石川県に移住してしばらく経ち、生活にだいぶ慣れてくると気になり始めることがあります。
それは、「石川県って今までどんなすごい人がいたんだろう?」ということ。
石川県で生まれ育った方は小学校の授業などで石川県にまつわる偉人については学んでいらっしゃることでしょう。
でも石川県外で生まれ育った私のような移住者にとっては、知らないことばかり。
石川県民にとっては常識とされることを何も知らないでいるのは、少し寂しいものです。。
金沢にある「金沢ふるさと偉人館」は、金沢にゆかりのある近代日本を支えた偉人たちを知ることができる偉人の博物館。
文学、科学、芸術、技術−−
様々な分野でご活躍された偉人たちを、まるごと学んできました!
私のような石川初心者はもちろん、石川県で生まれ育った方も新たな発見ができる施設だと思います♪
◆ 金沢ふるさと偉人館
–公式HP
金沢ふるさと偉人館
金沢の本多町にある金沢ふるさと偉人館は、バス「本多町」から徒歩2分ほどのところにあります。
金沢21世紀美術館などが近いので、観光や文化施設めぐりの中でも訪れやすい場所です。
入館料は、令和元年10月1日より消費税増税のため一般310円で、高校生以下は無料です。
平成5年に開館した金沢ふるさと偉人館、もともとは5名の偉人についての展示が行われていたそう。
その後「近代日本を支えた偉人たち」として、紹介される偉人が多く加えられ、今にいたるそうです。私が訪れた時点で、なんと30人以上の偉人たちが展示されていましたよ。
常設展だけでなく企画展も行われていますので、訪れる度に新たなことを知ることができる施設です。
偉人ごとに功績をじっくり紹介してくれる
館内は活躍された分野ごとにブースやエリアが分けられており、展示がとても見やすいです。
ひとりひとりじっくり紹介されているので、読み物がかなり多め。そのため、全てをしっかり観てまわると意外と時間がかかります。
撮影OKでしたので、後から見返して復習できるのも嬉しいです♪
読み疲れたり歩き疲れたら、ベンチもあるので館内で休憩できます。
ちょっと雰囲気のある休憩スペースですよ(*^^)
館内、全体的にとてもキレイです。
紹介されている偉人たち
偉人の紹介はそれぞれパネルだけでなく、愛用品や参考になるものの展示もあり、とても分かりやすく親しみも感じられる展示になっています。
紹介されている偉人は、2019年10月時点で32名の以下の方々。
(公式HPでは28名の紹介ですが、パンフレットでは32名掲載されています)
日本近代科学の創始者たち
- 高嶺譲吉(化学者)
- 桜井錠二(化学者)
- 木村栄(天文学者)
- 藤井健次郎(植物学者)
この中で私が一番驚いたのは藤井健次郎さんでしょうか。
今普通に使っている「遺伝子」という言葉、この方が命名されたそうです。「染色体二重螺旋構造」であることも発見されて、遺伝学の研究にとても貢献された方。
金沢生まれの方だったとは知りませんでした。
創造的技術に挑んだ人たち
- 八田與一(土木技師)
- 飯盛里安(放射化学者)
八田與一さんに関しては、2Fの常設展だけでなく1Fにも展示が行われていました。
台湾で烏山頭ダムを築いたときの話を、台湾の男の子目線で書かれた絵本です。
ダムがないと食べ物が作れない。その苦悩を抱える台湾の人たちを、ダム建設で救った八田與一さん。
その功績はもちろんですが、ダム建設中に起きた事故のこと、そして苦悩される八田與一さんのお姿に、胸がジンと熱くなりました。
金沢ふるさと偉人館の1F奥から眺められる庭には、胸像も建てられています。
日本の真と美を見つめた人びと
- 小野太三郎(社会福祉)
- 三宅雪嶺(言論人・哲学者)
- 桐生悠々(反骨のジャーナリスト)
今でこそ一般的になっている社会福祉やボランティアですが、社会福祉事業を個人として日本で最初に実践したのが小野太三郎さん。
24歳のときには自費で飢餓に苦しむ方を助けられたそう。
そして目の不自由な方を受け入れる「小野救養所」を開設し、その後も生涯を社会福祉事業にささげられたとか。
「困っている人を助けたい」という思いを貫き通すその生き方、とても尊敬します。
明治三年の奇跡
- 藤岡作太郎(国文学者)
- 西田幾多郎(哲学者)
- 鈴木大拙(仏教哲学者)
- 井上友一(地方行政担当)
- 山本良吉(教育者)
- 北条時敬(教育者)
海外でもご活躍された鈴木大拙さん。
世界に仏教や東洋思想を発信し続け、欧米の大学で講義もされ、英語での著作も数多く出版されました。
この後、鈴木大拙の世界により深くふれあえる「鈴木大拙館」にも行ってきました!
近代美の巨匠たち
- 松田権六(漆芸家)
- 谷口吉郎(建築家)
- 蓮田脩吾郎(金属造形作家)
金沢は優れた芸術文化が育まれているイメージが強いですが、それは伝統を大切にしつつその時々の新しいものを取り入れるからだろうなと感じています。
ご紹介されているお三方もまさに、新しい手法や分野で芸術を創り出された方たち。
私が訪れたときは「谷口吉郎 文学碑散歩」という企画展も行われていました。(2019年11月24日まで)
谷口吉郎さんが設計した全国各地の文学碑・記念碑が写真で紹介されていて、企画展のネーミング通りお散歩気分が味わえてとても良かったです。
普段お散歩していてもたまに出会う「碑」って、様々なデザインで建てられているんですね。
産業に尽くした人びと
- 横山隆興(北陸の鉱山王)
- 関沢明清(漁業)
- 野口遵(日本近代化学工業の父)
- 安宅弥吉(実業家)
貿易商として大成功をおさめた実業家の安宅弥吉さん、教育や地域貢献に尽力され、鈴木大拙らへの資金援助も行ったそうです。
自ら稼いだお金を惜しみなく他の才能のために使った素晴らしい方ですね。
館内には安宅弥吉と鈴木大拙の二人の関係を紹介したパネルも。
まだ10代のときに二人は出会い、「学問をやるなら金がいるだろう、僕が貿易をやって儲けて金を出す」と安宅弥吉が約束したという背景があるそうです。
まず未成年の時点で言った「貿易で儲けを出す」ということを有言実行したのもスゴイし、生涯にわたって約束を果たすのも素晴らしいですね。
美と自然を愛した人びと
- 北方心泉(書家)
- 細野燕台(文人・茶人)
- 中西悟堂(日本野鳥の会創始者)
日本野鳥の会の創始者も金沢の方だったとは!
「野鳥」という言葉自体も、中西悟堂さんが広めた言葉なんですって。
自然に関する多くの本を出版され、自然保護行政にも大きく寄与されたそうです。
金沢市内小学生のリクエストによる偉人たち
- 徳田秋声
- 泉鏡花
- 室生犀星
- 森下八左衛門
- 清水誠
- 加藤せむ
- 関口開
金沢三文豪をはじめ多くの方が紹介されていますが、ここで驚いたのはこのとき初めて知った清水誠さんの功績。
清水誠さんは、日本で最初にマッチを製造されたそうです。
今は見かけなくなりつつありますが、かつてマッチは大活躍していましたよね。
そのマッチを日本で初めて作った方も金沢の方だったとは……!
金沢の偉人を知り、多くを学べる施設
金沢には素晴らしい偉業を成し遂げられた方がたくさんいらっしゃいますね。
30人以上の偉人たちの功績を、ひとつの施設で学べるのはとてもありがたいです。
偉人たちの人生を垣間見て、「偉人のことを知る」というだけでなく、自分の生き方や人生観を見つめ直す良い機会にもなりました。
ほぼ知識がない状態で行っても、説明が分かりやすいのでとても勉強になりました。
ここで取り上げられている一部の方々については、さらに深掘りした文化施設もありますよ。
文化施設めぐりが捗ります♪
文化施設はそれぞれ入館料が別途必要ですが、お得な「金沢市文化施設共通観覧券」という文化施設パスポートもありますので、気になる方はぜひチェックしてみてください(*^^)
◆ 金沢文化振興財団
–金沢市文化施設共通観覧券
また、実は公式HPで一部の偉人たちはかなり詳しく紹介されていたり、展示品のお写真も見れたりします。
こちらをチェックしても、とても勉強になりますよ〜!
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