国指定の史跡・北陸最古の寺院「末松廃寺跡」へ!〜野々市さんぽ

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野々市市末松にある史跡「末松廃寺跡」をぶらりとお散歩!

末松廃寺跡の塔心礎

末松廃寺は1,300年以上前、670年頃に建立された北陸最古の寺院。
現在建物は残っていませんが塔心礎や金堂跡があり、国に指定された史跡のひとつ。広々とした史跡公園としてしっかり整備されています。

私が訪れた時はまだ見頃では無かったのですが、桜の木も多いので時期が合えばお花見にも◎!
自然豊かで癒される公園でした。

末松廃寺跡

末松廃寺跡の入り口

野々市市末松にある、末松廃寺跡。石川県立大学のすぐ近くで、のっティのバス停「末松」から徒歩6〜7分ほどのところにあります。
史跡公園として整備されたのは1971年で、全国で3番目となる史跡公園です。

入り口の脇には、末松廃寺跡が整備されるに至った経過が紹介されていました。
江戸時代の末期に「石川訪古游記(いしかわほうこゆうき)」で存在が記されており、明治時代に出土品や塔心礎・金堂跡が確認され、そして昭和14年に史跡として指定されたそう。
史跡整備の総経費は5,500万円かかったそうです。

緑に囲まれた自然豊かな空間!

史跡公園なので遊具などはありませんが、広々とした敷地でのびのびと過ごすことができます。
私が訪れた時はお散歩している方がいらっしゃったり、バドミントンで遊ぶ親子連れも見かけました。

末松廃寺跡の整備平面図

広々とした史跡公園なので、末松廃寺跡の平面図が記された案内板もきちんと設置されています。
史跡や説明板の位置はもちろん、植えられた木の種類(針葉樹、落葉樹、常緑広葉樹などなど)、水飲み場やベンチなども記されている親切な案内板です。ちょっとレトロな雰囲気が良いですね。

自然豊かな空間

入り口から奥に向かう間、左手側にはたくさんの木々が。
静かな公園の中で、木漏れ日の優しい光や鳥の鳴き声に癒されます。

桜もあります

松の木の奥には、桜の木もたくさん並んでいますよ。

実はこの日お花見がてらにお散歩しにきたのですが、まだまだ早かったようです。
ほんのり綻び始めている段階ですが、満開まではまだちょっと掛かりそう。(今回訪れたのは、2022年4月2日)

3つの掘立柱建物跡

掘立柱建物跡3

やがて右手側に、土台のような跡が見えてきました。

こちらは「掘立柱建物跡」というもの。
掘立柱建物は、柱の根元を地面に埋め込んで建てられた建物のこと。

上の写真は2棟連なって見つかったそうです。
この東側の後では炉跡も見つかり、木炭・焼土・鉱滓なども出土されたため、鉄の精錬場だったと考えられているそう。

この掘立柱建物跡はこれだけでなく……

掘立柱建物跡1

梁間2間の母屋の跡。

掘立柱建物跡2

梁間2間の母屋にひさしがついた規模の大きな建物の跡も。

建物の用途は今もまだはっきりしていないそうです。
お坊さんが住んでいたのかな?仏さまが祀られていたのかな?と、想像を膨らませてみると面白いです。

現在でも公園の発掘調査は行われているので、今後わかることがあるかもしれないですね。

塔跡と金堂跡

塔跡

掘立柱建物跡から奥に目をやると、なんだか不思議なステージ上の空間が。

末松廃寺の塔跡

こちらが塔の跡だそう。

末松廃寺跡の案内板

案内板には末松廃寺跡の復元図も紹介されています。
とてもとても立派な塔が、この場所にあったんですね。

野々市市御経塚にある「野々市市ふるさと歴史館」には、この模型があったりします。

塔跡を近くで見た様子

塔の基礎部分は一辺が10.8m。専門家じゃないのであまりパッとは分かりませんが、この長さは塔のサイズとしては非常に大きいそうです。
この大きさから、なんと「七重の塔」だったのではと推定されているんですって。

野々市にそんな立派な塔があったなんて……!
もし今も残っていたら、野々市の街並みは大きく変わっていたかもしれません。

しかし670年頃に創られた塔・後述する隣にあった金堂は、725年頃までに倒壊したことが分かっているそうです。50年ほどしか見られない光景だったんですね。

中央部分には、塔心礎の唐戸石が。
ほぞ穴に溜まった水に藻の緑が差して、ほんのり風情を感じる神秘的な雰囲気。

塔跡の横には桜も

この塔跡、横には桜の木がズラリと並んでいます。
満開のときなら、とっても綺麗な光景でしょうね。

逆隣には……

金堂跡

金堂跡。すなわちお寺のメインとなる本堂の跡です。

この金堂の西側で、瓦に混じって「和同開珎(わどうかいちん)」の銀銭も発見されたそうです。銀の和同開珎は708年8月から1年間しか鋳造期間がなく、とても貴重なもの。
末松廃寺跡の史跡公園としての整備は、この発見がキッカケとなったそうです。

歴史のロマンと自然を感じる公園!

2014年からは再整備に伴う発掘調査が実施されています。

2018年には全国初の出土例となる「女子像が線刻された土製品」も発見されたそうで、まだまだこれからも当時の文化や生活などなど、明らかになることがあるかもしれません。
末松廃寺跡のニュース、今後も見逃せませんね。

歴史のロマン・たっぷりの自然・広々と開放的な空間に、心をしっかりリフレッシュさせていただきました!

ちなみに末松廃寺跡は周辺も自然がたっぷり。田んぼや畑が多く、静かでのんびりお散歩するのにもってこいな環境です。
さらにほっこりするお店やカフェがあったりして(後日アップ予定)、この日も丸一日楽しめました。時間が足りないくらい。

私の中では、癒されたいときは野々市南部が激アツです。

今回行ったところ

末松廃寺跡
末松廃寺跡/野々市市デジタル資料館
観光マップ 末松廃寺跡/野々市市HP

住所:石川県野々市市末松2丁目地内

※投稿時の情報です。最新情報はお店の公式情報をお確かめください!