うつわの魅力を写真で楽しめる本「うつわディクショナリー」/読書記録
うつわが好きな私ですが、最近は新しいうつわを入手することもなく、窯元の散策もなかなか行けず、ちょっと物足りなさを感じています。
そんなときに目に入ったのが、こちらの本!
「うつわディクショナリー」という大変魅力的なタイトル。
4枚の写真付きの帯を取ると一枚のお皿の写真だけが載っているシンプルな表紙になるのですが、それがまた洗練された空気を感じて魅力的。
中身もうつわをしっかり堪能できる本でした。
衣奈彩子・著「うつわディクショナリー」
著者は雑誌・フィガロジャポンの編集部から独立された、うつわ好きの衣奈彩子さん。
表紙やタイトルからも難なく予想できることですが、うつわ好きにはたまらない、一冊まるごとうつわだらけの本なんです!
紹介されているうつわは陶器・磁器・半磁器・ガラス・木工・漆、それぞれのうつわ。
うつわを網羅したうつわ尽くしの本です。
素敵なうつわの写真がたくさん!
とにかく写真がたくさん使われている本なので、ページをぱらっとめくって眺めるだけでも楽しいです。
うつわ作家さんごとに、それぞれの作家さんが作られたうつわが、写真をふんだんに使って紹介されています。
味わい深い陶器のうつわ。
繊細な磁器のうつわ。
両方を兼ね揃え、優しさを感じる半磁器のうつわ。
洗練されたガラスのうつわ。
ぬくもりを感じる木のうつわ。
伝統や高級感を感じる漆のうつわ。
写真がまた、素敵なので、うつわの魅力をじっくり味わうことができます。
米谷亨さんというカメラマンの方が撮影されたそうです。
このうつわ素敵! と思わず一目惚れしてしまったら、巻末にはショップとギャラリーのリストも載っています。
HPを持っているうつわ作家さんは各紹介ページにURLも載っているので、チェックもできます。
作り手の思いもぎっしり紹介
うつわ作家さんへのインタビューも掲載された全員分、載っています。
それぞれの作家さんがどのような思いでうつわを作っているか、どのように作っているのか。インスピレーションはどこからなのか。そもそもなぜ「うつわ作家」になったのかなども話されていて、それぞれの作家さんの人生を垣間見るようで大変面白いです。
普通に就職していたのに、「チーム」で働くということの反動で「一人で一から十までやりたい!」と、5年で退職→陶芸の学校へ入られた方もいらっしゃいました。
人生、何があってどうなるかわからないものですね。とっても興味深いです。
その他、木工など扱いが難しいうつわは、私たちが普段うつわを使う上で「気をつけるべきこと」なども教えてくださってます。
うつわ用語のディクショナリーも
作中でわからない単語が出ても、これまた巻末に「うつわ用語のディクショナリー」で意味や詳細を確認することができます。
作中にない言葉は載っていないので、この一冊で「うつわ全てを理解する」ということは難しいですが、この本をじっくり読み尽くして、深く理解することはできるようになっています。
私自身はまだまだ初心者なので、知らないことも結構あって勉強になりました!
以前淡路島で工房見学した「Awabi ware」は「淡路焼(珉平焼)」ですが、かつて京都の陶工を招き、今まで使用していなかった釉薬も使うようになって発展し、現在の淡路焼になったそうです。
知ってるものが出てきて、さらにより深く知ることができると、ちょっと嬉しいですね。
紹介されているうつわ作家さん
この「うつわディクショナリー」で紹介されている作家さんは、以下の方々。(敬称略)
- 安倍太一
- 阿部春弥
- 伊藤聡信
- 稲村真耶
- 大江憲一
- 蠣﨑マコト
- 河上智美
- 佐藤もも子
- 高島大樹
- 竹村良訓
- 田坂香代子
- 寺村光輔
- 富井貴志
- 中野知昭
- 新見麻紗子
- 二階堂明弘
- 橋本忍
- 原田譲
- 福岡彩子
- 松本かおる
- 三浦ナオコ
- 八木麻子
- 吉田直嗣
- 余宮隆
知ってる! という作家さんがいたら、目を通してみると楽しいかもしれません♪
うつわ好きな方はぜひ!
とにかく写真が綺麗。うつわが綺麗。作り手の思いも知れる。
作者である衣奈彩子さんの「うつわ」への思い、「うつわ作家さんの声を伝えたい」という思いがひしひしと伝わってきます。
うつわ好きな方には是非とも読んでいただきたい素敵な本でした。
写真にはお値段も載っているので、「この作家さんの作品は大体これくらいで買えるんだな」と把握することができます。
写真でお気に入りを見つけたら、実際に手にしたくなりますね(*^^)
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