野々市市の基本理念「椿十徳」とは?移住者目線で噛みくだく
2022年3月12〜13日は野々市の椿まつり!
野々市市の花木である「椿」をめいっぱい愛でるおまつりです。
ところで、「椿十徳」という言葉をご存知でしょうか?
ズバリ字の通りなのですが、「椿」というお花にある10の美徳のこと。
私が住む石川県野々市市は、この「椿十徳」を基本理念としてまちづくりをしています。
つまり野々市に住むなら知っておくべき10カ条ということ!
今回は、野々市に住んで3年ちょっとの私が実際に住みながら感じたことも交えつつ、「椿十徳とは何か」を自分なりに噛み砕いてみました。
椿十徳
野々市市には市内に「国際優秀つばき園」にも指定された公園があったり、市と同名の「野々市」という椿があったり、民家や施設にも植えられていたりと、市民にとって非常に身近な存在のお花です。
そんな椿に備わっている高い徳目、つまり「椿十徳」はこちら。
- 不老の徳
- 公徳を守る徳
- 相互一致の徳
- 謙遜の徳
- 清浄の徳
- 矜恃の徳
- 常緑不変の徳
- 操節を守る徳
- 奉仕の徳
- 厚生の徳
なんとなく分かるようなものもあるような気がしつつ……やっぱり難しい単語がズラっと並んでいるだけだと、イメージがつきづらくて難しいですよね。
というわけで、ひとつひとつ見ていきましょう。
不老の徳
一、 歳を重ねても、ずっと元気に生きるべし!
「不老の徳」、椿は年月を経ても老衰の様子を見せないということ。
つまり、いつまでも年をとらないで元気なこと!
野々市市はファミリー層が多いため平均年齢が石川県で一番若いまちなのですが、高齢者もとっても元気なまちです。野々市市の女性の平均寿命は全国第5位にランクインしたこともあるそうですよ!
不老の徳という教えは、市民の生き方にしっかり根付いていますね。
ちなみにまち自体も、新しい施設が整備されて生き生きとしています。歴史ある建物もたくさんあるのに、きちんと整備されているので「衰え」を感じません。
まちも人も若々しいまちです!
公徳を守る徳
二、 まちを汚さず、綺麗にすべし!
「公徳を守る徳」、椿は四季を通じて落葉しないので木の下が汚れないということ。
つまり、まちを汚さないということ!
現在の野々市のまちなかにゴミが無いかというと、かなり少ないとは思いますが、残念ながらゼロではありません。。ポイ捨てされているのか風で飛んできてしまったのかは分かりませんが、見かけてしまうこともあります。
ただ、個人・企業・有志の集まりがまちなかを掃除している光景はしばしば見かけます。「綺麗なまちを作りたい」という思いは、しっかり市民の心に根付いていると感じます。
しかも私が移住して一週間で感激したとおり、野々市市は無料で回収してくれるゴミの種類が豊富!
燃えないゴミとして一部の家電(家電リサイクル法対象以外のもの)や自転車だったり、燃える粗大ゴミも回収してくれます。
綺麗な街づくりのため、市のサポートがしっかりしているので、「公徳を守る徳」の土台はバッチリ。
あとは私たち市民一人ひとりが気をつけねばいけないこと。まちを汚さないように、今一度心に刻んでおかないといけない徳ですね。
相互一致の徳
三、 垣根を超えろ!お互いを受け入れて、新しいものを生み出すべし!
「相互一致の徳」、椿は接木(つぎき)をすれば、新種を生み出すことができるということ。
つまり自分とは無関係と思って人との間に垣根をつくらず、受け入れることで新しいものが生み出しましょうということ!
一見すると自分とは無関係と思うものでも、お互いが接触することで新しいアイデアは生まれます。
野々市では様々な場面で、コラボだったりイノベーションだったり、人が協力して生み出されたものを目の当たりにすることがあります。
個人や企業が手を組んで新しい商品を開発するニュースも多いし、自治体も市民協働で様々な取り組みをされています。
公共施設×民間商業施設が合わさった施設「にぎわいの里ののいち カミーノ」もまさにこういうことですよね。
椿十徳にざっと目を通したとき、私が一番最初に「野々市らしいなぁ」と思った徳で、一番好きな徳だったりします。
謙遜の徳
四、 普段は驕らず控えめに、ここぞというときに咲き誇るべし!
「謙遜の徳」、椿は普段目立たない藪陰に生えていますが、春になると大変綺麗な花が咲き誇るということ。
驕らず、傲慢や横柄にならず、自分勝手に考えず、謙虚に生きること。
心理学的にもこの生き方は、自分も人も幸せになれるそうです。
謙虚というと「控えめ」という意味に聞こえますが、ここでいう謙虚は「控えめ」とイコールでは無いと思っています。
なぜなら、ずっと控えめでいることはただの「卑屈」になってしまうから。
椿のように「普段は控えめ、ここぞというときに咲き誇る」というのが真の謙虚ということではないでしょうか。
清浄の徳
五、 土地に流れる綺麗な水に感謝!水を汚さないよう自然を守ろう!
「清浄の徳」、水が綺麗な土地で椿はよく育つということ。
野々市市には霊峰白山の伏流水が流れていて、私たちはこの綺麗な水によって豊かな生活ができています。
綺麗で美味しい水を守るために、自然を守って生きましょう。
矜恃の徳
六、 自分自身を尊重!堂々と生きるべし!
「矜恃の徳」、プライドを失わないということ。
堂々と咲き誇る椿のように自信や誇りをもつことは、意外と難しいことですがとても大事。
自分自身を尊重して、堂々と生きましょう!
常緑不変の徳
七、 平時も凛と美しく!輝いて生きるべし!
「常緑不変の徳」は、椿の葉は常に濃い緑色で輝いているということ。
花が咲かない時期でも、椿の葉はツヤツヤと美しく凛としています。
葉っぱだけでも人を魅了する美しさがあるのです。
つまり「謙虚の徳」で「普段は驕らず控えめ」というターンのときでも変わりなく、堂々と立ち凛とした人であれということではないでしょうか。
操節を守る徳
八、 信念を守って志を貫き、理想に向かって日々成長すべし!
「操節を守る徳」、椿は冬になっても枯れることなく、春に向かって日毎に蕾を膨らませるということ。
「操節」という言葉の意味は「信念をかたく守って変えないこと。 正道をふみ行なうこと。 志を貫くこと」だそう。
枯れることなく=信念を守り、自分の理想を目指して毎日成長を心がけることが大切なのですね。
奉仕の徳
九、 周囲への感謝を忘れるな!恩は返す&送るべし!
「奉仕の徳」、椿は毎年花を咲かせて、栽培者の労に報いてくれるということ。
育ててくれた人への恩返しをしっかりしてくれる花なんですね。
私は助けてくれた人にお返しする「恩返し」だけでなく、別の人に思いやりをバトンのように渡していくような「恩送り」という考え方も大事だなと常日頃思っています。
椿は前述の教えの通り栽培者の労に報いて恩返しをしますが、第三者の心にも癒しを与えてくれる恩送りもしてくれますよね。
恩返し&恩送りの両方を揃えている「奉仕の徳」、素敵な徳だなと感じます。
厚生の徳
十、 可能性は無限大と心得るべし!
「厚生の徳」、椿の花は食用油・化粧品の原料、椿の木は家具・日用品、木や葉が燃えた後は炭として……椿は綺麗で観賞するだけの花ではありません。余すところなく、その身を役立ててくれるのです。
私たち人の価値も、ひとつではありません。
考え方次第で、取り組み次第で、変えようの無い価値をたくさん生み出すことができるはず。
それをひとりひとりが認識して、たくさんの価値が生み出された結果、まちも人も豊かになっていくのではと思います。
徳の高い椿と生きる!
なんとなく見ているだけでも「可愛いな」「綺麗だな」と思う椿。椿十徳を知った上で鑑賞すると、また違った印象も感じられますね。
今回まとめてみたのは私の見解で、間違っていることもあるかもしれません。
「これってこういうことじゃないの?」というご意見などあれば、教えていただけると幸いです!
さてさて、野々市市では2022年3月12〜13日に椿まつりが開催されます。
展示されている椿、各所に咲き誇った自然の椿、椿関連の特産品やお土産などなど……
たくさん椿を愛でましょう♪
今回の椿まつりでは、国指定重要文化財・喜多家住宅で作られた野々市の日本酒「猩々」が発売開始だそうですよ。
日本酒大好きな私にとってこちらも見逃せません!
花も団子もお酒も楽しみつつ、コロナ対策はしっかりして、今年もしっとり椿を愛でましょう。
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